冷え性に効果的なツボに関する「掃除機吸い玉療法」について
「掃除機」を使って手足のツボを吸引
冷え性をはじめとする様々な不快症状は、体内の血液が濁ったり、血液循環が悪くなったりすることによって引き起こされる場合が少なくありません。そのため鍼灸院などでは「吸い玉療法」と呼ばれる治療法が古くから行われてきました。
「吸い玉療法」とは、ガラスでできた珠のような用具を肌に当て、電気を使ってガラス器の中を真空状態にして肌を吸い込む治療法で「真空浄血療法」とも言います。
血液は心臓から動脈へと送り出され、全身の毛細血管へ送られます。帰りは静脈を通り、肺や腎臓で浄化され、ふたたび心臓へ戻ってきます。このように血液は主に肺や腎臓で浄化されているわけですが、これとは別に皮膚でも血液の浄化が行われています。
肺が酸素を取り込んで血液を浄化するのと同じように、肌も皮膚呼吸によって酸素を取り込み、血液を浄化しているのです。「吸い玉療法」は皮膚を吸引することでこうした皮膚呼吸を活発にし、血液の浄化作用を促進します。
さらに「吸い玉療法」には、皮膚表面の毛細血管の中で滞っている濁った血液を人工的に内出血させる効果もあります。
内出血をするということは血液が血管からにじみ出るということですが、このにじみ出た血液は老廃物として再び血管に吸収されます。つまり、毛細血管に滞っていた血液が再吸収されることによって、再び流れに乗って動き出します。
その結果、血液の循環が良くなって、冷えも改善することが出来るのです。
このように優れた効果を持つ「吸い玉療法」も、掃除機を使えばご家庭で手軽に出来ます。それが「掃除機吸い玉療法」です。
掃除機の吸引力を利用した実に単純な方法ですが、指圧のように力もいらず、しかも全身の決行をよくするという点で、冷え性の方におすすめできます。
「掃除機吸い玉療法」のやり方
掃除機の先端を取り外して、柄の中継ぎ部分を肌に当て「湧泉(ゆうせん)」と「陽池(ようち)」というツボを吸引します。
足の冷えを改善するには、足の裏にある「湧泉」を吸引します。「湧泉」は「足の裏をくぼめたときにできる人の字形のシワの中央」にあります。
また、手にも冷えの症状が見られる、さらにひどい冷え性の方は、手首にある「陽池」のツボを吸引してください。「陽池」は手の甲側、「手首をそらしたときにできる横ジワの中央から少し小指寄り」にあります。
どちらのツボの場合も、掃除機の吸い口を肌に吸い付かせたまま、円を描くように回転させながら3~5秒ほど吸引します。これを左右10~15回ずつ行なってください。
なお、吸引の強さは気持ちいいと感じる強さより少し弱めが適当です。先に「人工的に内出血させると述べましたが、実際に内出血の痕ができるほど強く引っ張る必要はありませんので注意してください。