冷え性改善に効果的な食事である「食べ合わせ」について
身体を冷やす食べ物の害を消す「食べ合わせ」
日本には昔から「食べ合わせがよい」とか「食べ合わせが悪い」という言い方があります。よく言われるのは「ウナギと梅干」の食べ合わせで、油と酸が反発し合って腹痛を起こすというものです。
実際、食品の組み合わせによって、一方の食品に含まれている成分が、他方の食品に含まれる成分と化学的に反応して身体に有益な物質に転化したり、逆に有害な物質になって中毒を引き起こしたり、あるいは有害な成分を中和するといったことがあります。
昔からある「大根おろしに酢をかける」とか、「刺身にわさびをつける」といった食べ方は、こうした食品の作用をうまく利用して、食べ合わせをよくするための、昔の日本人の生活の知恵とも言えるのです。
東洋医学では、身体を冷やす食べ物「寒涼食」、身体をあたためる食べ物「温熱食」という分類をしますが、たとえ「寒涼食」であっても、「温熱食」との食べ合わせによって冷やすさようを相殺することができます。
たとえば、「冷奴には生姜とあさつきをのせます」が、生姜やあさつきには血行を促進し、身体を温める作用がありますから、冷奴の身体を冷やす害は帳消しになります。
他の例では、「ほうれん草のごま和え」がお馴染みだと思います。ほうれん草はビタミンAとビタミンCが豊富に含まれているうえ、食物繊維が豊富で便秘を改善する効果がありますが、身体を冷やすのが欠点です。そこで、「温熱食」であるゴマを加えるのです。
他の和え物では「キュウリと鶏のささみのゴマ酢和え」があります。キュウリは96%が水分で、生で食べた場合は身体を冷やしますが、「ささみ」「ゴマ」「酢」の持つ温熱作用によって、身体を冷やす害は打ち消されるのです。