冷え性に効果的なお風呂への入り方である「下半身浴」について
更年期にともなう冷え性に「下半身浴」
更年期症状は、女性の性周期(月経と排卵)をつくっていたホルモンの分泌が低下して、ホルモンバランスが崩れるために起こります。
このホルモンバランスが崩れると自律神経中枢も働きを乱してしまいます。そのため、足腰の冷えのほか、頭痛、肩こり、腰痛、めまい、のぼせ、イライラ、不眠など、自律神経の失調症状があらわれるのです。
更年期症状のあらわれ方は人によっていろいろですが、こうしたつらい症状を改善するのには下半身だけをお風呂であたためる療法がたいへん効果的です。
「下半身浴」のやり方
お湯を湯湯船の6~7分目まで入れたら、しばらく蓋を開けておくなどして浴室をよくあたためておきます。
湯温は41~42度ぐらいが適当ですが、温度の感じ方は人によって違いますから、気持ちいい範囲でややぬるめに感じる位がいいでしょう。
上半身は冷やさないようにバスタオルを肩にかけて入ってください。
湯船の中で正座するか、浴室用のイスに座ってお湯がヘソの高さまでくるくらいに湯量を調節します。この「姿勢を正しくすること」が下半身浴の効果を上げるのに大切なポイントです。
腰を伸ばしておなかをやや突き出し、背筋をまっすぐにし、あごを引きます。そうして軽く目をつむり、心を静めます。背骨の中には自律神経が通っていますが、背骨に歪みがあると圧迫されて、その働きが悪くなります。更年期症状を重くし、治りにくくしている原因の一つにしばしばこの姿勢の悪さがあるのです。
もう一つ大切なのは、入浴の途中で「さし湯」などをして、湯温を上げていくことです、少なくとも入浴中に湯の温度が下がらないようにすることです。
東洋医学では冷たいものを「陰」、温かいものを「陽」としますが、更年期症状はホルモン分泌が減少して「陰」に向かっている状態と考えることができます。したがって、湯温を温かくして「陽」の刺激を与えることを忘れてはいけません。
足と腰を温めるだけでも血液循環がよくなり全身があたたまるので、お風呂に入った爽快感を味わえます。こうして5~10分間「下半身浴」をして全身が温まり、汗が出てくるほどになったらお風呂から上がります。あとで身体を冷やさないように全身をよく拭いてください。